ブラックアイランド・ワイナリー:コルチュラ島が育むポシップの再生
アドリア海に浮かぶコルチュラ島、スモクヴィツァの静かな入り江にあるブラックアイランド・ワイナリー――かつては協同組合ワイナリーとして地元の葡萄を扱っていたこの場所で、2018年、新たなワイン造りの物語が始まった。歴史ある土地と伝統的な葡萄品種ポシップを再評価し、島の風土を生かしたワイン造りを再構築するために。
ワイナリーの名は、島の古称に由来する “Black Korčula(ブラック・コルチュラ)”。この名前には、島の豊かな地中海らしい気候と自然、葡萄栽培の長い歴史への敬意が込められている。
畑はビーチからほど近い崖や傾斜地 — 伝統的にポシップを育ててきたテラス畑に広がる。地元の小規模生産者たちによって何世代にもわたって世話されてきた葡萄は、手摘みで収穫され、収穫当日の夜明けに行われる。葡萄が持つ鮮度と個性を守るため、収穫から醸造まで非常に丁寧な工程が貫かれる。
ワイン造りは、ポシップというこの地域固有の白ブドウを主軸に、多様なテロワールの集合体としてのコルチュラを表現することを目指す。代表的なキュヴェである Merga Victa Pošip は、島の海風と石灰質を帯びた土壌、そして長年続くブドウ栽培の歴史をワインに映し出す。フレッシュなシトラス、地中海ハーブ、石果やミネラルのニュアンスが広がりながら、洗練された余韻を残すその味わいは、若いうちから楽しめつつ、熟成にも強い。
訪問する者には、モダンなテイスティング施設と、島の地元料理や軽食を添えたワイン体験が提供される。ワインだけでなく、生活と文化、自然を含めた「コルチュラらしさ」をまるごと味わうことができるのが、ブラックアイランドの魅力だ。
古い産地と新しい挑戦が融合したこのワイナリーは、クロアチアのワイン革命を牽引する存在のひとつ。ポシップとコルチュラの未来を映す一滴に、島の誇りと静かな情熱が詰まっている。
クロアチア、ダルマチア、コルチュラ島
2018年(歴史ある協同組合の醸造所を再興)
少量・小規模生産(手摘み・厳選収穫)
ポシップ(ダルマチア原産白葡萄)および地域固有品種